飴とむっちり。

文才皆無の凡人OLが書くテンションガタ落ちブログ。不倫の話多めです。

約1ヶ月ぶりに会う

恋ではなく性欲が優って結局会ってきた。

一度冷静になって自分の本当の気持ちに気づき、もうこれからは完全にセフレとして心置き無く会えると思ったんだけど

 

あ、まだやっぱ好きかもと感じた。

想像ついてたことだけど。

 

飴ちゃんの望むようにはならないかもしれないけど、会いたい時に会えばいいと思うよ。

すごく無責任なのは分かってるけど、飴ちゃんがしたいようにすればいいと思う、俺は。

 

私が望むようには、って。

西野さんは私が望んでることって何だと思ってるんだろう。

 

西野さんはもしかしたら、私は離婚してほしいと思ってる、と感じているのかもしれない

 

 

西野さんがもし独身だったら私はこの人と結婚したいと思っただろう。

こんな人と結婚できるなら幸せだと思う。

西野さんの性格からして、私ともし結婚したとしても数年後には浮気されるんだろうがそのくらいいいわよと思うくらい幸せの方が勝つと思う。

 

家族思いで仕事も愛している素敵な人。

変なところで自信のない可愛い人。

 

愛すべき男。

 

彼から滲み出る優しさや安心感は私が見えない世界にいる彼の奥さんや愛すべき子供達からの恩恵ではないか。

彼を魅力的に仕立てているのは彼自身ではなく紛れもなく家族の存在や仕事だ。

 

それらが無くなれば、西野さんは私が好きな西野さんではなくなると確信している。

 

離婚を乗り越えて結ばれた不倫夫婦が長く続かないケースが多いのはそういう点もあるのではないかと思う。

 

 

 

 

西野さんは一度だけ私に説教じみたことを言ってきたことがある。

 

「俺の友達にもよくいるんだけどさぁ、結婚に拘りがないだとか今じゃないとか興味がないだとか言う奴いるけど、そんなこと言ってっと結局最後は1人で人生終えることになるんだよ。そんなんでお前はいいのか?って言うとそれは嫌だって言うんだよ。矛盾してるよな。

 

仕事だって遊びだって誰のためでもなく自分のためにやるなんて何が楽しいんだ?

 

1人で生きて結局最後に残るのはなんなんだって話だよ。おかしいんだよなみんな。」

 

今思えばとんでもない偏見である。

特に喧嘩したわけでもなければ雰囲気が悪かった訳でもないのに、この人はいきなりそんな話を私にぶつけてきた。

 

確かに結婚して家族が出来れば人生が豊かになるかもしれない。

守るべき存在のために努力するというのは1人で生きていくよりよっぽど有意義かもしれない。

 

だけど、それが全てなんだろうか?

家庭を持たないと絶対に幸せになれないのか?

独身で人生を終える人間は1人残らず全員不幸だったのか?

 

そんなことは無いと思う。幸か不幸かなんて捉え方次第で、どんな人生でも幸せな人は幸せで不幸な人は不幸なのではないか。

 

そこに結婚か独身かは全く関係ないのではないか。

 

なんて思ったりしたことがあったなーーーーなんて。

たまに思い出してもやっとする。

 

 

結婚か。

 

少し前までは絶対にしたいし子供もほしいと思っていた。

今は絶対というより、そういう人がいればしたいな、と少し敷居が下がった気がする。

 

私は稼いでいるわけではないので、何かあった時に自分だけの人生ではないという責任がついて回るのは今の自分には荷が重すぎる。だから色々と発展途上中なのだけど。

 

微笑ましい家族を見て嫉妬するような人間にはちょっとなりたくないなと思う。

 

私の数少ない友人の中に最近までどっぷり不倫にはまっていた子がいた。

相手は既婚者で子供はもう成人したかしてないかくらい。

奥さんと相当仲が悪いようで、その男曰く家事もまともにしなければほとんど家にもいないので家のことはその男が全てやっているという。

 

「まともに家事もできないのに奥さん離婚に応じてくれないんだって」

「奥さんだって不倫してるのに」

「私のほうが有能なのに、許せない」

「クソみたいな女」

「こんなに素敵な人をぞんざいに扱うなんて信じられない」

 

私のほうができる、私ならこうする、わたしならエトセトラ。

 

言うのは簡単である。

 

この子は一応人生の先輩でもあるのであまり批判はしないでいたが、我慢できず一度だけ私は言った。

 

「そんなに環境が悪いのに離婚しないなんて男もおかしいんじゃないですか。あまり鵜呑みにしないほうがいいんじゃないですか。」

 

そう言うと

 

「男だって悪いよ。ちゃんと奥さんと向き合ってこなかったんだから。だから向き合ってこなかった貴方も悪いよって私は言ったの。私はね、なんでもかんでも全て鵜呑みにするようなバカな女じゃないんだから。」

 

 

私の言いたかったことはそういうことではない。

そもそも仲が悪いとか離婚調停中だとか、そんなエピソード自体がフィクションなんじゃないのかと言いたかった。

 

言ったところで、この子はそんなこと聞ける精神状態ではないのがわかっていたから言わなかったけど。

 

人は自分が正しいと思ったことは絶対だと信じきる。

他人ではなく自分自身に洗脳されるのだ。

新興宗教よりもたちが悪い。

 

そのやりとりから結局私は嫌われてしまいしばらく連絡をとっていなかったけど、色々決意して男とはいつのまにか別れたらしく、飴ちゃんが言ってたことが最近やっとわかった。ごめんと連絡がきた。

 

この子は自分で自分を洗脳して、自分で洗脳を解いた。

 

 

全くお騒がせな女だと思った。

この子は昔からこうだ。

本当は小指で突けば死んでしまうくらい弱いのに強いふりをする。

弱いのなんてバレているんだから認めてしまえばいいのに。

そうしたらもっと魅力的に映るのに。

 

こんなふうに私の中にも思い違いのまま確信してしまっている何かがあるのかもしれない。

誰がどう見ても緑色なのに当本人は赤色だと思っていることなんて沢山あるんだろうなと思う。

たまには違う空気でも吸ってみるか

趣味というほどでもないが、最近よく本を読んでいる。

 

本といえば小説、ビジネス書、自己啓発推理小説、恋愛もの、様々あるけど私が特に読むのはエッセイ。

 

読んでも特になんのためにもならないような、下らない内容や思わず吹き出してしまうようなものが好きです。

 

自己啓発やビジネス書も読んだりするのですが、読んだ時はなるほどと思っても読み終えたこと自体に満足してしまうので書いていたことを人生に生かすだとかそういうところまで至らないんですね。

 

人生に行き詰まったり、ふと疲れてしまった時、誰にも会いたくないけど何かと繋がりたい。思いつめていることがあるけど相談できない、どうしようもない、もう逃げ出したいなんて思うことってありませんか。

 

私はある。

月に1回、多くて週1くらいの割合で。

 

そんな時に是非手にとってほしい本を私の主観と偏見と独断で紹介したいと思います。

 

 

 

近所の古本屋で200円くらいで買った本なんですが、あまりにツボだったので後日もう一度その古本屋に行き置いてあった中島らもさんの他の本も全て買ってしまいました。

 

中島らもさんはミュージシャンであり広告プランナーであり放送作家、随筆家などなど様々な肩書きを持っていて、亡くなった今もなお仄かに世間に名を馳せ続けている方ですが、youtubeなどで彼の生前の動画を見ていただくと分かるようにそんなアクティブさを感じさせない緩やかな人というか、のんびりしているというか、一見何も考えてなさそうな人なんです。

 

この、「頭の中がカユいんだ」は中島らもさんが事実上一番最初に出した本だそうで、配偶者を残して家出するところから物語は始まり日常の中で起こる、頭の中がカユくなるくらいもどかしいエピソードや大変な出来事をユーモア込めたふわっとした空気で描かれています。

 

バラエティ番組の芸人が語る日常エピソードを読んでいるような、面白い友人の昨日あった出来事を聞いているような、肩の力を抜いてだらだら読める作品です。

 

中でも好きな回が「クェ・ジュ島の夜、聖路加病院の朝」

得意先との接待旅行で女を買って淋病にかかる話なんですが、登場人物が全員あほで笑いが止まりませんでした。

 

一言で伝えるのは難しい作品なので興味のある方はとりあえず読んでみてほしい。

定価で買っても476円+税。

運良く古本屋なんかにあればだいたい200円くらいで手に入ります。

 

オチも何も無い近況

20代前半くらいまでは失恋すると仕事にも身が入らず、休日も泣いてばかりでしたが人間って嫌でも成長するもんですね。

 

意思とは反してやるべき事があるという状況は時に人を救うなぁと感じた今日この頃。

とりあえず何が何でも目の前のことを消化するようにしていたら、20代前半の頃のように酷く思い悩むことは無くなりました。

 

 

が。

 

最近の私は原因の分からないフラストレーションに悩まされています。西野さんに会うのが一番なんだけど会った後の反動もすごいので、西野さん以外の方法でなんとかこれを解消したいんです。

 

煮え切らない、はっきりしない西野さんにやきもきしつつも、じゃあ私はどうしたいの?と自問した時にどうも明確な答えがない。

 

 

そんなことをお風呂に浸かりながらしばらく考えて出てきた疑問が

 

わたし、西野さんに時間割きすぎじゃない?

 

ということだった。

 

西野さんと会ってる時間ではなく、プライベートで西野さんについて考えてる時間があまりにも多すぎる。

 

西野さんから数日連絡が来ないだけで憂鬱になり、今日は西野さんと会えるかもという根拠のない期待感から予定を断ってしまったことも多々あり。もしかしたら掴めたはずのチャンスを知らず知らずのうちに沢山捨ててきたかも。

 

好きすぎるあまり、自分の人生において冷静な選択が出来なくなってしまっているのではないか。

 

西野さんの気持ち云々ではなく、最近のフラストレーションの原因は紛れもなく自分にある。

 

なので、少し冷却期間を設けることにしました。お別れすると思うと辛いので、しばらく連絡を取らずに時間をおいて、それでも連絡したいと思ったら我慢せず連絡してみようと。

 

 

話は変わりますが、色んな不倫ブログやサイトを見ていて私が相手に対して抱く気持ちは一般的な不倫とは少し違うのかな?と思いました。

 

もちろん、西野さんのことはこれ以上ないくらいに大好きだけど、自分のものにしたいとは思わない。

謙遜だとか強がりではなく、一緒になったところで誰一人として幸せにならないのが分かるから。

 

多分わたしと西野さんはここに関しては同じことを思っているので、西野さんも離婚を仄めかすようなことは言わないし、何より家族円満なので離婚なんて望んでもいないはず。

 

最近よく実感するのは、私が好きになった西野さんは奥さんや子供の存在ありきだということ。もし、西野さんが独身ならここまで好きになっていなかったかもしれない。

私が西野さんに感じる好意は、愛すべき子供と奥様の支えと、一家の大黒柱としての責任ありきだなぁと思うんです。

 

それらが醸し出す独身男性にはない特有の余裕とか風格に色気を感じてしまう。

 

 

家庭を持っていい男に成長したのに、それが妻以外の女も魅了してしまうだなんて一体どうしたら良かったんですかねこの人は。

 

 

考えすぎて疲れてきた。

 

 

2018年です。

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

 

 

もうこのブログは消そうと思っていたのですが、ふと読み返してみると赤裸々に当時の状況が書いてあるものだから読んでいて自分で小っ恥ずかしくなり、あえて残すことにしました。

 

 

半年もこのブログを放置していましたが、この半年の間にぼちぼちと色々なことがありました。

 

ブログの序盤では西野さんとの関係を「もう終わらせようとしている恋」と謳っているにも関わらず、だらだらと続いてもう約1年。

 

年も明けちゃいました。

 

不倫あるあるですね。

 

 

それでも、いつかは離れなければいけないという気持ちは常にあって、最近まさに「今だな」という瞬間がありました。

友人に話すと、なんだそんなことかよというくらいインパクトの無い話なので面白くもなんとも無いと思うけど。

 

 

いつものようにデートしたのが今日から一週間前。

食事を終え、ホテルでゆっくりした後家まで送ってもらう途中、西野さんの携帯が光って反射的に画面を見てしまった時、奥様からラインがきていた。

 

メッセージは非表示だったので内容はわからない。

 

ちょっと見てはいけないものを見てしまったと私が言うと、それが何なのかしきりに知りたがる西野さん。

 

そりゃそうか。

 

家に帰れば分かるよと、私。

 

いや、気になるから今言ってと少しキレぎみの西野さん。

 

奥様からはなんてことない業務連絡だろうと何となく想像ついたけど、西野さんに少し意地悪したくなった。

 

西野さんがあまりに気にするので私は、奥さんからラインきてたよと一言。

 

なんだそんなことか、とは言わなかったけど西野さんは拍子抜けした表情をしていた。

 

軽々しく私に手を出したことを後悔すればいいとちょっとだけ思った。

 

俺のことなんか絶対本気にしないでしょ、と自分の中の自信のない部分を盾にして優しさという暴力を振るう西野さんにささやかな仕返しをしたつもりだった。

 

あなたの優しささえ無ければ私はこんなに好きにならなかった。あなたが最初に言った通り割り切った関係を続けられた。

 

だから優しくしないでって言ったのに、いつまでも優しくしたのはあなただよ。

 

 

こんな失敗はよくするので、度々反省しています。

いちいち面倒くさくて女々しくてごめんね西野さん。

そしてこれを読んでいる方。

 

 

いつものキスはしないで車を降り、家に帰りしばらくすると西野さんからラインが入った。

 

「ちなみに妻からの業務連絡と地元のスナックの女の子からの営業メールだよ」と、内容なんて聞いていないのにわざわざ言ってきて。

 

 

色々な感情が入り混じり一言では言い表せないけど一番に感じたことは、こんなこそこそ会って、嫌われないように日々悶々とした感情を隠して一体何になるのか。

 

今までは不思議とそんなこと思ったことは無かったけど、子供が寝静まった家で旦那の帰りを待つ奥様や子供と戯れる西野さんを思い浮かべると今まで我慢だと思っていなかったものが一気に我慢に感じた。

 

西野さんには帰る場所があり、家族のために仕事を頑張って、家族では埋められない心の穴をわたしで埋めてバランスを取っているんだとしたら、わたしは一体なんのために西野さんと会っているんだろうか。

 

西野さんにとってはたまの気分転換という意味があったとしても、わたしにとっては何の意味があるのか。

 

 

今までは会えなくなるのが怖くて好きとは言えなかった。こんな我慢でさえなんの意味もない。

 

西野さんにいつか気持ちを伝えるなら直接言わなければとずっと思っていたけど、もうこの際どちらでもいいのではと思った。

 

というかこれを機に関係を切らなければ、奥様から西野さんに連絡が入るのも私はきっと平気になって一生このままズルズル関係が続くのではないか。

 

 

いつか私が将来結婚したり子供ができて、結婚式の最中も新婚旅行中も家族団欒の場でも今のように頭の片隅に西野さんがいたらどうしようと、恐怖を感じた。

 

ラインで全てぶちまけた。

今まで好きだったことも、それをずっと言えなかったことも、家族円満なのに不倫なんかに手を出すあなたが理解できないというような余計なことも。

ぽっかり空いた心のあなを私で埋めないでと。

 

ラインで言うなんて子供じみてると分かってはいたけど、私の性格からして会えばまた離れたくなくなってしまうから。

 

西野さんはというと、

 

なんでだろうね?それは俺にも分からないんだ。ただ、飴ちゃんが可愛かったからだと。ふざけてはいない、本当に可愛いかったからだと。

 

何回聞いてもそんなようなことしか答えてくれなかった。

 

 

ふざけてる。

 

あたしがいくら真面目な話をしたって、この人は聞く耳すら持たない。私は分かってくれなんて言ってない、ただ受け止めてさえくれればそれでいい。

 

この期に及んで、俺にも分からない、なんて優しい嘘はいらない。あたしが傷つかないような嘘が思いつかないだけなくせに。

 

 

西野さんの本当の気持ちを知りたかった。

晴れた空の下、デートしたかった。

夜が混じらない付き合いをしてみたかった。

 

わたしの本心はこれだった。

でも、叶わなくて良かったと思う。

叶ってしまっていたら次の段階を期待していたと思うから。

 

最後の最後でいい女で終わることができないどころか、我慢していた不満をぶちまけて自ら面倒くさい女で終わらせて、私はなんてアホなんだろう。

 

子供と奥さんとの思い出と、いつか出会う新しい子にかき消されて、西野さんは私のことなんてそのうち忘れてしまうだろう。

 

あまりにも、西野さんにとってわたしの存在が軽すぎた。

どうしようもないことだけどすごく寂しい。

 

単純に寂しいし切ない。

わたしの存在なんてそんなもんかい。

 

可愛ければ誰でもいいんかい。

 

 

 

 

なんて思いにふける夜でした。

卒業できそうにない。

7月4日の出来事。

仕事において怠け癖がついてきたなと思う時は、あえて遊ぶ予定を入れてみる。今日がちょうどまさにそんなタイミングだった。急な仕事の依頼にて、18時までに入稿します!と宣言したものの、別件の用事が終わった頃には制限時間まで2時間を切っていた。

 

そこで西野さんに18時から会えないか提案してみるとあっさりOK。

マッハで仕事にどっぷり浸かり、いつも何時間もかかってやっと仕上げていた仕事を1時間で終えた。

 

ご飯を食べに行くにも、互いに変な時間に食べてしまっていたのでおなかは空いておらずしばし1時間程度のドライブ、の後ホテルへ。

 

私は2つ仕事をしているのだが、最近本業のほうで身悶えるような出来事があり大泣きしながら小田急線を乗り継いだ。立ち直るのに1週間かかったけど、誰かにこの話を聞いてもらって心の奥底に溜まっているフラストレーションを解消したかった。

 

ホテルについてふと西野さんにその話をしてみた。

精神的にボコボコにされた事も、死にたくなった事も。

「俺も若い頃は似たようなことがあったよ、でも死にたいと思った事はない。なんでそいつの為に死ななきゃいけねーんだよ!馬鹿なこと考えるのやめなさい。俺はそういう事があった時は、いかにどう相手を見返してやろうかとしか考えない。」

 

こういうすっきりしたところが西野さんの魅力でもある。

大丈夫だよ、辛かったね、君はそんな事ないよ、みたいな意味のない慰めではなく怒ってくれるところもまた好き。

 

今までは、西野さんの中で私は「かっこいい女」「手に届かない女」でありたいが為に見栄を張っている事が多かった。

そんなくだらないプライドも大泣きの一件でどうでも良くなったので西野さんに話してみたまで。

 

西野さんに話を聞いてもらえたことで、自分の気持ちが整理されたような気がした。

そしてこの人にも似たような経験があって、似たような思いもしてきたんだと思うと悩んでた事は成長に値するのかなと思えた。

 

そういやホテルに入る前、車から降りて後部座席に置いてある荷物を取ろうとした時、子供向けアニメのDVDが置いてあった。

あ、そういやこの人は人の親だった。

再度、この関係にどっぷりハマってはいけないなと再確認した。

 

西野さんの事は男としても、人間としても好き。恋愛的にもはたまた友人としても好き。だけど、西野さんを私のものにしたいと思ったり、奥さんのことを考えて気に病むことはない。

強がりだとか偽善では多分ない。本当にそんなつもりが全くない。でも大好きだし、できることならばもっと頻繁に会いたい。

 

自分の中でどうにもこの気持ちに説明がつかなくてもどかしかった。もし誰かにお前にとって西野さんは何なのかと問われた時(問う人いないだろうけど)何も説明できないなぁと感じていた。

 

だが最近ぴったりハマる言葉を見つけた。

それは、家のベッドに寝転がってぼけーっと天井を見てた時だと思う。「疑似恋愛」だ。

私は西野さんに疑似恋愛を求めている。

つかず離れず、互いにとって良いとこ取りな関係を。

たまに会ってドキドキして、女を取り戻す。

今はそんな関係がずっと続けば良いと思っている。

 

つまり、西野さんに奥さんがいようが愛人がいようが関係ない。一緒にいる時は互いのことが大好きで、一緒にいない時は、会いたいなぁ今何してるかなぁと考えてしまうのが私にとっての疑似恋愛。恋愛とは違うしセフレとも微妙に違う。

 

多分、妻子持ちで奥さんを不自由させていなくて、子供にも変わらない愛情を注いでて、仕事が好きで尚且つ趣味もないがしろにしない、そんな西野さんが好き。もし独身だったら多分好きになっていない。

 

忙しいが故適度に構ってもらえないからこそ、微妙にそっけないからこそますます好きになる。

 

ホテルの部屋で一息ついて、西野さんの手を握ったり離したりしていた。ゴツくて色黒で、少しカサついた手にはハリーウィンストンの指輪。

西野さんはいかなる時も指輪をしている。

出会った時からずっと。

 

「これ?俺が若い頃泣きながら買った指輪。結婚したくなさすぎて。」

 

「なんでよ、そんな事ないでしょ。」

 

「本当だよ、この頃一番遊んでたし。子供出来たからその時は泣く泣く結婚した。」

 

嘘か本当か真偽が分からないのであまりこういう話は好きではないんだけど、多分言ってる事は本当だ。

 

「それはうそでしょ。でき婚だったとしても好きだから結婚したんでしょ。」

 

「そうだけど、当時は結婚したくなさすぎて友達にも泣きついてたよ。俺の友達はみんな知ってる。正直結婚後も女の子とかなり遊んでた。ただ、独立してからは一切しなくなった。単にそんな時間が無くなったっていうのが大きいけど、特にそんなハマる女の子もいなかったし。たまたま飴ちゃんと出会って、俺が飴ちゃんにハマってしまったんだよ。だから飴ちゃんが悪い。」

 

何を言ってるんだろ。ドハマりしているのは私のほうなのに。分かってるくせに。

そして、そうなるように仕掛けたのも貴方のくせに。

 

「そんな褒めても信じないよ。」

 

「信じてくれなくてもいいけど。でも、最初は俺なんか相手してくれると思ってなかったなぁ。だってこんなに綺麗だし。」

 

私もまさか西野さんとこんな関係になるとは思ってなかった。私はもう西野さんなしではちょっと生きていけない境地にまで行っている。そんなことは絶対言わないけど。

 

「飴ちゃんはさぁ、仕事中とか俺に会いたいって思ったりする?」

 

「自分はどうなの?」

 

「え?思うよ。飴に会いたいな~って。仕事中。」

 

こういう時わたしは自分の気持ちを率直に伝えられない。私は仕事中どころか四六時中会いたいと思っている。

 

「うーん、どうだろうね?なんか今日は会いたいと思って連絡しちゃった。」

 

本当のことを言ってしまったら私が西野さんに惚れ込んでる事がバレてしまう。それだけは絶対に避けたい。西野さんが私に対して少しでも危機感を持ってしまったらこの関係が終わってしまう。

 

「可愛いなぁ、そういうところ。」

 

多分私の気持ちは全部バレてるんだと思う。

西野さんは分かっていて、あえてそれを確かめないだけだ。

 

好きという気持ちを言葉で伝えない代わりに、表情や仕草、行為で訴える。

 

ただただ愛す。本当に好きなの、大好き、ねぇもっと私に夢中になって。私のことをもっと求めて。非言語で伝える。

今日は今までで一番西野さんを愛した日かもしれない。

 

伝わらなくても構わない。

愛してる気持ちを発信することが目的だから。

それがとてつもなく気持ちいい。

肉体的にはもとより、精神的に。

 

はあー、本当に好き。

なんでこんな事になっちゃったんだろ。

最初は全く意識してなかったのに。

四六時中この人のことを考えてる。

いつか疑似恋愛を通り越して本気になっちゃうのかな。それは嫌だなぁ。

西野さんは私の気持ちを手に入れたからなのか最近は控えめで、ちょっと物足りない。

でも求めてはいけなくて、もどかしい。

疑似恋愛のはずなのに辛いのはなんでだろう。

けして私は綺麗とか美人なタイプではないけど、こっち向いてー。

行かないでね、どこにだってあたしと一緒じゃなきゃイヤよー。

いやいやそれは違うけど。

どこにだって私と一緒じゃなくていいけどさ。

 

けして超えてはいけないラインは超えないから、もう少しだけこっち向いて。

 

いつかお別れが来る関係なのだから、気持ちを抑えなければいけない。

爆発しそうだ。

 

私は恋する自分に恋してる、そんな感じだろうなと思う。

意図せずセフレが出来てしまった⑨

序盤に書いた1ヶ月の恋は幕を閉じたかもしれない。だが関係は1ヶ月を突破してしまった。

 

5/15日の出来事。

西野さんは仕事柄週末は忙しい。

なので平日に会うようにしている。

いつも8割型西野さんから誘ってくるのだが2割くらいは私も誘っている。

 

今日は月曜日。

誘うべきかどうか迷ったが、ご飯に誘ってみると夜から会うことに。

 

なぜ誘うべきか迷ったかというと、火曜日にお店に来て欲しかったから。今日会ってしまえば満足して翌日は店に来てくれないんじゃないかと思ったから。

 

1時間ほど迷ったが、結局誘って会うことにした。

 

私は休みだったので日中は最近同郷から近所に越してきた友達と会い、それから西野さんと会うことに。

 

車に乗るなりいつも西野さんは何か軽く要求してくる。

 

「いい匂いする!ちょっと嗅がせて。」

 

今日はこれだった。

その後中目黒の焼肉屋へ。

毎回焼肉になってしまう。

西野さんは絵に描いたような男で、お洒落などには全く興味はなく、お洒落なお店も知らなければ洒落た料理も苦手。

 

そういう訳で毎回焼肉だけど、そもそも会う頻度も少ないので丁度良い。最低限の気は使うが一緒にいて苦じゃない。

 

腹も満たしたところでホテルへ。

と、思って車を走らせた西野さんだったがホテルが近場に見当たらなかった。いつも違いに予定をたてずに会うものだからこういうことはザラだった。

 

1時間ほどあてもなくドライブしてやっと見つけたホテルに泊まることにした。

 

ああ、やばい。たいしてお酒も飲まなかったはずなのにこの時の記憶がほとんどない。

たいした会話もしなかったと思う。

ホテルでゆっくり過ごしたあと、朝方解散した。

 

それからしばらく経って6/30、ちょうど私がキャバクラをやめた日。

この日西野さんはいつものメンバーを連れてお店に来てくれた。

久々に西野さんの友達にも会えたのも嬉しくてこの日はとにかく楽しかった。

 

西野さんとは最近仕事の話をよくする。

将来仕事を通してどうなりたいだとか、仕事であった失敗を聞いてもらったりとか。考え込みすぎて煮詰まる私とは違って、西野さんは何事にも決断が早い。

きっとこの関係も終わりを迎えたらあっさり私のことも忘れるんだと思う。

意図せずセフレが出来てしまった⑧

温度差の激しい恋を、正しい温度にもっていく方法がひとつだけある。

私が試して効いたことであって他の人に効くかどうかは分からないけど。

 

これは自分だけ一方的にヒートアップしてしまった恋に限る。

携帯電話が発展した現代だからこそできる、文明の利器を利用した方法。

 

それは冷却期間を設けることだ。

 

レスポンスが遅くてもかろうじて返信がくる時期でなければ使えない。

ラインでもなんでも、返信がきた時にその返信を既読せず追撃がくるまで未読にしておく。既読せず内容を確認する方法なんてものがあるがそんなものは試してはいけない。

 

肝心なのは内容を見ないことだからだ。

 

そもそも返信が遅くて心がかき乱されるなら、その状況にもっていかないということが重要だ。相手からの未読のラインを温めておくことで「まだ返信がこない」という気持ちを鎮めることができる。レスポンスする権利をこちらが習得したまま放置する。

 

自分は追われる側になりつつあったのに突然そのルートを閉ざされると「逃げられる」と思いまた追いかけてくる。

 

人は人に夢中になってしまうと駆け引きなど忘れて感情にまかせた行動をとりがちだが、ここで少しぐっと我慢する必要がある。

 

西野さんもそのパターンだった。

キスしたあたりから立場が少しずつ逆転したのは多分西野さんも分かっていた。私が少しずつ西野さんを好きになってきていることを。

 

心なしかラインのレスポンスも遅くなってきた。

数日開くことなんてザラだ。

間違いなく西野さんは少しずつ冷めてきている。

 

 

そこで未読ラインを温めたまま数日放置してみた。

 

「元気なの?いつ辞めるのかわからないけど、お店いこうか?」

 

ほらきた。最近お店に行く行かないの話なんてめっきり無くなっていたのに。

 

もちろん来て欲しい意向を伝える。

 

恋愛は基本的に感情任せな部分があるが、若い頃ならまだしもいい大人になってくると全て感情任せというわけにもいかない。

頭を使わなければ思い通りにいかなくなってくる。

と、感じた25の春でした。