エマニエリスト

個人的な恋愛観をつらつら書きなぐるブログ

意図せずセフレが出来てしまった⑥

あの日から私はおかしくなった。

何をしていても気がつくと西野さんの事を考えている。

 

なぜ西野さんの事を考えてしまうのか全く分からなかった。

1ミリも意識していなかったのに。

気付くと西野さんの連絡を待っている自分がいる。

 

そんな生活をしていた。

 

 

その数日後またいつものように食事に行き、そしてベタだけど夜景を見に行った。誰かと夜景を見に行くなんて5年ぶりくらいだったかも。

 

 

食事を終えて、一時間ほど車を走らせて都内の夜景が一望できる某所へ向かった。平日の夜だったので人はまばらでカップルが数組。

 

山の上に公園のような広場があってそこから景色を一望できる。

片隅に車を止めてベンチのほうへ歩く途中、月明かりに照らされた桜と新緑のコントラストがとても綺麗だった。

 

車で向かっている途中西野さんは、ここに来るの何年ぶりだろうなぁなんて話していた。きっと女の子を何回か連れていったんだろう。

 

そんなことはどうでもいい。

私はこの状況はなんなんだろう、ただの付き合いたてのカップルのデートじゃないか。なんて考えていてちょっと寒気がした。

 

無言で二人夜景を見る。

すると西野さんは何を思ったのか趣味の釣りの話をした。

 

西野さんはバス釣りが趣味で休みさえできれば釣りに行く。

そして1日のほとんどを釣りに費やす。

家族と釣りの為に生きているような人。

 

「月の様子で翌日の釣り具合を予想できるんだ。ちょうどこんな月の日の翌日はいい具合に釣れる。悪天候の後の釣りもまた面白いんだよ。倒れた木や藪の中に魚が隠れているんだけど、それらにルアーが引っかからないように水の流れと試行錯誤しながらどう釣り上げるか考えるんだ。」

 

この時の西野さんは少年みたいだった。

本当に楽しそうに話をする。私にもわかりやすく面白く。

気付くと数組いたカップルは一組になっていた。

 

「っていうのが俺の休日だよ。寒いしそろそろ行こうか。あのカップルを2人きりにしてあげようぜ。」

 

「カップルじゃないかもよ、親子かもよ。」

 

「親子であんな近い距離で座るかよ。しかも夜景なんて親子で見にいかねーだろ。」

 

「そうかな。」

 

「そうだよ。」

 

車まで歩いていると、満開の桜の枝から満月が覗いていた。

 

「月明かりに照らされた桜ってこんなに綺麗なんだね。東京でこんな景色が見れるなんて思ってなかった。」

 

「俺は横の新緑も好きだよ。」

 

「本当だ。こっちもいいね。」

 

いつもギャグみたいなことしか言わない西野さんとこんな会話になるなんて。良いのか悪いのか分からないギャップだ。

 

「ねぇ飴ちゃん、ちゅーして」

 

「はぁ?嫌だよ」

 

「なんで!ちゅーしてよ。」

 

1回キスしたくらいでそんな関係になれると思うなよ、というのが正直なところ。それでも、いちいち了承を得ようとする西野さんがまた面白かった。

 

「無理。」

 

「ふーん。じゃあいいや。」

 

発泡スチロールより軽いであろう西野さんのこういうノリは段々嫌いじゃなくなってきた。多分西野さんじゃなければこんなデートすることも無かったと思う。

 

その後はまた1時間ほどかけて元の場所に戻り、ホテルへ向かった。

 

この時はもうどうなってもいいと思っていたと思う。

西野さんはお酒を飲まないので、私も必然的にほとんど飲まない。

同じテンションを保ちたいから飲まないだけで我慢しているわけではない。

 

ホテルに着くなり西野さんはソファに寝転がっていたので、私はベッドに寝転がった。

 

すると西野さんが入ってきた。

 

彼氏と付き合い始めて約4年、私は初めて浮気をした。