飴とむっちり。

文才皆無の凡人OLが書くテンションガタ落ちブログ。不倫の話多めです。

卒業できそうにない。

7月4日の出来事。

仕事において怠け癖がついてきたなと思う時は、あえて遊ぶ予定を入れてみる。今日がちょうどまさにそんなタイミングだった。急な仕事の依頼にて、18時までに入稿します!と宣言したものの、別件の用事が終わった頃には制限時間まで2時間を切っていた。

 

そこで西野さんに18時から会えないか提案してみるとあっさりOK。

マッハで仕事にどっぷり浸かり、いつも何時間もかかってやっと仕上げていた仕事を1時間で終えた。

 

ご飯を食べに行くにも、互いに変な時間に食べてしまっていたのでおなかは空いておらずしばし1時間程度のドライブ、の後ホテルへ。

 

私は2つ仕事をしているのだが、最近本業のほうで身悶えるような出来事があり大泣きしながら小田急線を乗り継いだ。立ち直るのに1週間かかったけど、誰かにこの話を聞いてもらって心の奥底に溜まっているフラストレーションを解消したかった。

 

ホテルについてふと西野さんにその話をしてみた。

精神的にボコボコにされた事も、死にたくなった事も。

「俺も若い頃は似たようなことがあったよ、でも死にたいと思った事はない。なんでそいつの為に死ななきゃいけねーんだよ!馬鹿なこと考えるのやめなさい。俺はそういう事があった時は、いかにどう相手を見返してやろうかとしか考えない。」

 

こういうすっきりしたところが西野さんの魅力でもある。

大丈夫だよ、辛かったね、君はそんな事ないよ、みたいな意味のない慰めではなく怒ってくれるところもまた好き。

 

今までは、西野さんの中で私は「かっこいい女」「手に届かない女」でありたいが為に見栄を張っている事が多かった。

そんなくだらないプライドも大泣きの一件でどうでも良くなったので西野さんに話してみたまで。

 

西野さんに話を聞いてもらえたことで、自分の気持ちが整理されたような気がした。

そしてこの人にも似たような経験があって、似たような思いもしてきたんだと思うと悩んでた事は成長に値するのかなと思えた。

 

そういやホテルに入る前、車から降りて後部座席に置いてある荷物を取ろうとした時、子供向けアニメのDVDが置いてあった。

あ、そういやこの人は人の親だった。

再度、この関係にどっぷりハマってはいけないなと再確認した。

 

西野さんの事は男としても、人間としても好き。恋愛的にもはたまた友人としても好き。だけど、西野さんを私のものにしたいと思ったり、奥さんのことを考えて気に病むことはない。

強がりだとか偽善では多分ない。本当にそんなつもりが全くない。でも大好きだし、できることならばもっと頻繁に会いたい。

 

自分の中でどうにもこの気持ちに説明がつかなくてもどかしかった。もし誰かにお前にとって西野さんは何なのかと問われた時(問う人いないだろうけど)何も説明できないなぁと感じていた。

 

だが最近ぴったりハマる言葉を見つけた。

それは、家のベッドに寝転がってぼけーっと天井を見てた時だと思う。「疑似恋愛」だ。

私は西野さんに疑似恋愛を求めている。

つかず離れず、互いにとって良いとこ取りな関係を。

たまに会ってドキドキして、女を取り戻す。

今はそんな関係がずっと続けば良いと思っている。

 

つまり、西野さんに奥さんがいようが愛人がいようが関係ない。一緒にいる時は互いのことが大好きで、一緒にいない時は、会いたいなぁ今何してるかなぁと考えてしまうのが私にとっての疑似恋愛。恋愛とは違うしセフレとも微妙に違う。

 

多分、妻子持ちで奥さんを不自由させていなくて、子供にも変わらない愛情を注いでて、仕事が好きで尚且つ趣味もないがしろにしない、そんな西野さんが好き。もし独身だったら多分好きになっていない。

 

忙しいが故適度に構ってもらえないからこそ、微妙にそっけないからこそますます好きになる。

 

ホテルの部屋で一息ついて、西野さんの手を握ったり離したりしていた。ゴツくて色黒で、少しカサついた手にはハリーウィンストンの指輪。

西野さんはいかなる時も指輪をしている。

出会った時からずっと。

 

「これ?俺が若い頃泣きながら買った指輪。結婚したくなさすぎて。」

 

「なんでよ、そんな事ないでしょ。」

 

「本当だよ、この頃一番遊んでたし。子供出来たからその時は泣く泣く結婚した。」

 

嘘か本当か真偽が分からないのであまりこういう話は好きではないんだけど、多分言ってる事は本当だ。

 

「それはうそでしょ。でき婚だったとしても好きだから結婚したんでしょ。」

 

「そうだけど、当時は結婚したくなさすぎて友達にも泣きついてたよ。俺の友達はみんな知ってる。正直結婚後も女の子とかなり遊んでた。ただ、独立してからは一切しなくなった。単にそんな時間が無くなったっていうのが大きいけど、特にそんなハマる女の子もいなかったし。たまたま飴ちゃんと出会って、俺が飴ちゃんにハマってしまったんだよ。だから飴ちゃんが悪い。」

 

何を言ってるんだろ。ドハマりしているのは私のほうなのに。分かってるくせに。

そして、そうなるように仕掛けたのも貴方のくせに。

 

「そんな褒めても信じないよ。」

 

「信じてくれなくてもいいけど。でも、最初は俺なんか相手してくれると思ってなかったなぁ。だってこんなに綺麗だし。」

 

私もまさか西野さんとこんな関係になるとは思ってなかった。私はもう西野さんなしではちょっと生きていけない境地にまで行っている。そんなことは絶対言わないけど。

 

「飴ちゃんはさぁ、仕事中とか俺に会いたいって思ったりする?」

 

「自分はどうなの?」

 

「え?思うよ。飴に会いたいな~って。仕事中。」

 

こういう時わたしは自分の気持ちを率直に伝えられない。私は仕事中どころか四六時中会いたいと思っている。

 

「うーん、どうだろうね?なんか今日は会いたいと思って連絡しちゃった。」

 

本当のことを言ってしまったら私が西野さんに惚れ込んでる事がバレてしまう。それだけは絶対に避けたい。西野さんが私に対して少しでも危機感を持ってしまったらこの関係が終わってしまう。

 

「可愛いなぁ、そういうところ。」

 

多分私の気持ちは全部バレてるんだと思う。

西野さんは分かっていて、あえてそれを確かめないだけだ。

 

好きという気持ちを言葉で伝えない代わりに、表情や仕草、行為で訴える。

 

ただただ愛す。本当に好きなの、大好き、ねぇもっと私に夢中になって。私のことをもっと求めて。非言語で伝える。

今日は今までで一番西野さんを愛した日かもしれない。

 

伝わらなくても構わない。

愛してる気持ちを発信することが目的だから。

それがとてつもなく気持ちいい。

肉体的にはもとより、精神的に。

 

はあー、本当に好き。

なんでこんな事になっちゃったんだろ。

最初は全く意識してなかったのに。

四六時中この人のことを考えてる。

いつか疑似恋愛を通り越して本気になっちゃうのかな。それは嫌だなぁ。

西野さんは私の気持ちを手に入れたからなのか最近は控えめで、ちょっと物足りない。

でも求めてはいけなくて、もどかしい。

疑似恋愛のはずなのに辛いのはなんでだろう。

けして私は綺麗とか美人なタイプではないけど、こっち向いてー。

行かないでね、どこにだってあたしと一緒じゃなきゃイヤよー。

いやいやそれは違うけど。

どこにだって私と一緒じゃなくていいけどさ。

 

けして超えてはいけないラインは超えないから、もう少しだけこっち向いて。

 

いつかお別れが来る関係なのだから、気持ちを抑えなければいけない。

爆発しそうだ。

 

私は恋する自分に恋してる、そんな感じだろうなと思う。