たまには違う空気でも吸ってみるか
趣味というほどでもないが、最近よく本を読んでいる。
本といえば小説、ビジネス書、自己啓発、推理小説、恋愛もの、様々あるけど私が特に読むのはエッセイ。
読んでも特になんのためにもならないような、下らない内容や思わず吹き出してしまうようなものが好きです。
自己啓発やビジネス書も読んだりするのですが、読んだ時はなるほどと思っても読み終えたこと自体に満足してしまうので書いていたことを人生に生かすだとかそういうところまで至らないんですね。
人生に行き詰まったり、ふと疲れてしまった時、誰にも会いたくないけど何かと繋がりたい。思いつめていることがあるけど相談できない、どうしようもない、もう逃げ出したいなんて思うことってありませんか。
私はある。
月に1回、多くて週1くらいの割合で。
そんな時に是非手にとってほしい本を私の主観と偏見と独断で紹介したいと思います。
近所の古本屋で200円くらいで買った本なんですが、あまりにツボだったので後日もう一度その古本屋に行き置いてあった中島らもさんの他の本も全て買ってしまいました。
中島らもさんはミュージシャンであり広告プランナーであり放送作家、随筆家などなど様々な肩書きを持っていて、亡くなった今もなお仄かに世間に名を馳せ続けている方ですが、youtubeなどで彼の生前の動画を見ていただくと分かるようにそんなアクティブさを感じさせない緩やかな人というか、のんびりしているというか、一見何も考えてなさそうな人なんです。
この、「頭の中がカユいんだ」は中島らもさんが事実上一番最初に出した本だそうで、配偶者を残して家出するところから物語は始まり日常の中で起こる、頭の中がカユくなるくらいもどかしいエピソードや大変な出来事をユーモア込めたふわっとした空気で描かれています。
バラエティ番組の芸人が語る日常エピソードを読んでいるような、面白い友人の昨日あった出来事を聞いているような、肩の力を抜いてだらだら読める作品です。
中でも好きな回が「クェ・ジュ島の夜、聖路加病院の朝」
得意先との接待旅行で女を買って淋病にかかる話なんですが、登場人物が全員あほで笑いが止まりませんでした。
一言で伝えるのは難しい作品なので興味のある方はとりあえず読んでみてほしい。
定価で買っても476円+税。
運良く古本屋なんかにあればだいたい200円くらいで手に入ります。